Bar Beer ☆ Barbie

その日はいつものようにソイ７のビアガーデンで１人まったりとビールを飲んでいた。土曜日の夕方という事もあって店内はファラン客とフリーランスのお姉さまでごったがえしている。

すると突然店内にアナウンスが流れ、すべてのTVスクリーンに同じ映像が映し出された。北京五輪男子ボクシング、フライ級決勝。タイのソムジット選手対キューバ選手。

試合が始まると、お姉さま方はお客そっちのけでスクリーンを食い入るように見つめる。ソムジット選手がポイントを上げる度に歓声が沸く。

判定が下り、ソムジット選手の金メダルが確定すると店内は割れんばかりの拍手に包まれた。表彰式でタイの国旗が高々と掲げられると、お姉さまたちは総立ちで拍手を送る。

お姉さま達がタイ国民であることを誇りに思う一瞬。体は売っても魂は売らぬと誓ったかもしれない瞬間。

健全なナショナリズムは美しいものだと少し感激してしまった私。だが、こういう感動的な場面で誰もRing A Bellしないのは寂しいものだ・・・



つけ加えるならばタイ人の愛国の念は、国王陛下を戴くタイという国（即ち、国体）に対して向けられているのだと思う。そういった意味ではタイ人は「国民」ではなく、国王陛下の「臣民」であるといえようか。



ところで最近カゲキ路線に走っている反政府集会。率いる人々は本人たちが言うように本当に愛国者なのであろうか。彼らの主張、行動は却って国体を危うくすることになりはしないか。

この週末、反政府集会のせいで客足が遠のいているソイカ某店のママさんがいみじくも言った。
「政府も反政府もどちらもくたばっちまえ!」
・・・これが一般民衆の正直な感想だと思うぞ。